夾竹桃けふちくたう)” の例文
今をさかりと咲き誇る夾竹桃けふちくたうの花の梢も夏らしいやうな裏の廊下の方へも行つて見た。きのふは町の屋根の上に晝の花火を望んだのもそこだ。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
大木の白木蓮しろもくれん玉椿たまつばきまき海棠かいだう、黒竹、枝垂しだれ桜、大きな花柘榴はなざくろ、梅、夾竹桃けふちくたう、いろいろな種類の蘭の鉢。さうしてそれ等の不幸な木はかくも忙しくその居所を変へなければならなかつた。
鈴蘭のやうな薔薇ばらの花、アカデエモスの庭に咲く夾竹桃けふちくたうからんだ旋花ひるがほ、極樂の園にも亂れ咲くだらう、噫、鈴蘭のやうな薔薇ばらの花、おまへはにほひいろもなく、洒落しやれ心意氣こゝろいきも無い、年端としはもゆかぬ花だ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)