天若日子あめわかひこ)” の例文
我が説明ことわけを、お聞きわけられませ。神代の昔びと、天若日子あめわかひこ。天若日子こそは、てんの神々に弓引いた罪ある神。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
そこでオモヒガネの神が申されるには、「アマツクニダマの神の子の天若日子あめわかひこりましよう」と申しました。そこでりつぱな弓矢ゆみや天若日子あめわかひこに賜わつてつかわしました。
池上の堤で命召されたあのお方のむくろを、罪人にもがりするは、災の元と、天若日子あめわかひこの昔語りに任せて、其まま此処におはこびなされて、おけになったのが、此塚よ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
ここに思金の神答へて白さく、「天津國玉あまつくにだまの神の子天若日子あめわかひこを遣はすべし」とまをしき。かれここにあめ麻迦古弓まかこゆみ天の波波矢ははや一〇を天若日子に賜ひて遣はしき。
神代の昔、天若日子あめわかひこと申したは、天の神々に矢を引いた罪ある者に御座ります、其すら、其、人の世になつても、氏貴い家々の娘ねやの戸までも忍びよると申しまする。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
このじゅう申し上げた滋賀津彦は、やはり隼別でもおざりました。天若日子あめわかひこでもおざりました。てんに矢を射かける——。併し、極みなく美しいお人でおざりましたがよ。りはたり、ちょうちょう。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)