大身代だいしんだい)” の例文
平田氏は一代で今の大身代だいしんだいを作り上げた程の男だから、それは時には随分ずいぶん罪なこともやって来た。彼に深い恨みを抱いているものも二人や三人ではなかった。
幽霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
初め並ゐる店の者共等もかほ見合みあはせてゐたりけるにやつたりとこゝろなほ主個あるじに打向ひ今の女兒むすめの行先は大身代だいしんだいの由なれば此婚姻こんいん首尾しゆびよく成らば女兒むすめ計りが僥倖さいはひないでおやまでうかび上る事ゆゑ是非とも是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
だが、たったこればかりのことで、海を泳いで、墓を掘って、頭を丸めた位のことで、あの数千万円の大身代だいしんだいが、はたして俺のものになるのかしら、話があんまりうますぎはしないか。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)