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大物
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おおもの
ふりがな文庫
“
大物
(
おおもの
)” の例文
殿様は入府になるなり、下邸に逼塞し、元日の参賀にも、十一日の具足祝いにも上らず、
大物
(
おおもの
)
を抱えて鬱々としてござった。
玉取物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「うまい! 落ちついていやがる。あいつは、まだまだ、
大物
(
おおもの
)
になれる。しめたものさ。なにせ、あいつは、こわいものを知らない女ですからな。」
火の鳥
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
なかには市五郎がテラを取ったり頭を
刎
(
は
)
ねたり、自分ばかり甘い汁を吸って、こちとらにはケチで、そのくせ、いやに
大物
(
おおもの
)
ぶっているのを
面憎
(
つらにく
)
がっているのもあるのですから
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
元来私自身が
大物
(
おおもの
)
になり得ない性質をもち、同時に小物にもなり得ない性質をそなえ、余程恵まれた
環境
(
かんきょう
)
でなければ、利用価値のない人間なのだが、博雄はこの小物性を特にもつことは
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
「
大物
(
おおもの
)
を掴まえたもんやわな。———どうせよぼよぼのお
爺
(
じい
)
さんやろうな」
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
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丈
(
たけ
)
五尺の唐子で一対という注文、今日ではなんでもないが、その当時、徳川末期のドン底の、すべて作品が小さくなっている時代の彫刻界では、丈五尺というと、まずなかなかの
大物
(
おおもの
)
であって
幕末維新懐古談:26 店初まっての大作をしたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
管轄
(
かんかつ
)
の警察署に留置するには、あまりに
大物
(
おおもの
)
だからです。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「先輩どころか、張継はもっと
大物
(
おおもの
)
さ」
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
相手は諸元を狂わせた得態の知れぬ
大物
(
おおもの
)
で、装薬の割が一匁ちがっても、砲身といっしょにすっ飛ばされる恐れがある。
ひどい煙
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
鼠小僧はこちとらに毛の生えた
質
(
たち
)
の奴で、子分を持たずに一人で鼠のように駈け廻った男だが、日本左衛門は虎になりそこなった
大物
(
おおもの
)
だ、乱世ならば一国一城の大名になり兼ねねえ奴だ
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私一個の腕としてこの
大物
(
おおもの
)
を立派にやり上げるということはお恥ずかしいが不安心であります……といって私の片腕となって立派にこの馬をやりこなせる人物は差し当り学校には見当りません……
幕末維新懐古談:69 馬専門の彫刻家のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「そんな
大物
(
おおもの
)
でもねえさ」
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
箱根の
石高
(
いしだか
)
道をひきおろし、神田
誓願寺
(
せいがんじ
)
前の松浦侯の
上邸
(
かみやしき
)
におさまったところを拝見に出かけたが、臼砲の口径は一尺二寸、砲身の長さは十五尺もあるという、思いもかけぬ
大物
(
おおもの
)
だったので
ひどい煙
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
“大物”の意味
《名詞》
大きな物。おおもの。
(出典:Wiktionary)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
“大物”で始まる語句
大物主
大物主神
大物忌
大物見
大物主命
大物屋
大物浦
大物食