大気燄だいきえん)” の例文
どうも西洋料理へ這入はいる気がしないと云うような大気燄だいきえんで——全体あのかたは洋行なすった事があるのですかな
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大気燄だいきえんじゃ。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分ではこれほどの見識家はまたとあるまいと思うていたが、先達せんだってカーテル・ムルと云う見ず知らずの同族が突然大気燄だいきえんげたので、ちょっと吃驚びっくりした。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大気燄だいきえん」と評したのは高柳君の隣りにいた薩摩絣さつまがすりである。高柳君はむっとした。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大気燄だいきえんである。奥歯でつぶした癇癪玉かんしゃくだまが炎となって鼻の穴から抜けるので、小鼻が、いちじるしくいかって見える。越後獅子えちごじしの鼻は人間がおこった時の恰好かっこうかたどって作ったものであろう。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)