卜斎ぼくさい前身ぜんしんを知らずに、かれをただの鏃鍛冶やじりかじとばかり思っていた、大久保長安おおくぼながやす家来けらいたちは、少々あッけにとられている顔つき。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしこの遠駆とおがけにおくれを取ったら、あの呂宋兵衛るそんべえがおれをただはおくまい。菊池半助きくちはんすけ大久保長安おおくぼながやすなども、さだめしあとでおこるだろう。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家康いえやす家来けらい大久保長安おおくぼながやす、あれはいま甲府こうふの民を苦しめている悪い代官だいかん、その手勢てぜいとたたかうことは、父や兄妹きょうだいあだに向かうもおなじことです
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つい近年、徳川家の手代てだい大久保長安おおくぼながやすが、奈良奉行所を設けた一廓も近くであるし、中華の帰化人で林和靖りんなせいの後裔だという者が店をひらいた宗因饅頭そういんまんじゅうもよく売れるとみえ、池へ向って店をひろげている。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)