夜干よぼし)” の例文
ものの景色はこれのみならず、間近な軒のこっちからさおを渡して、看護婦が着る真白まっしろ上衣うわぎが二枚、しまい忘れたのが夜干よぼしになってかかっていた。
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここのおかみさんが夜干よぼしにして置くつもりらしかった。その着物が自然にあるき出したのであった。
半七捕物帳:06 半鐘の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
夜干よぼしに敷いた網の中を、ひらひらと拾ったが、朝景色をずるよしして、四辺あたりを見ながら、その苫船とまぶねに立寄って苫の上に片手をかけたまま、船の方を顧みると、千鳥はかぬが友呼びつらん。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)