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夕汐
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ゆうしお
ふりがな文庫
“
夕汐
(
ゆうしお
)” の例文
車に揺られて、十九日の
欠月
(
けつげつ
)
を横目に見ながら、
夕汐
(
ゆうしお
)
白く
漫々
(
まんまん
)
たる釧路川に架した長い長い
幣舞橋
(
ぬさまいばし
)
を渡り、
輪島屋
(
わじまや
)
と云う宿に往った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
忽
(
たちま
)
ち
燈
(
ともしび
)
の光の消えて行くようにあたりは全体に薄暗く灰色に変色して来て、満ち来る
夕汐
(
ゆうしお
)
の上を滑って行く
荷船
(
にぶね
)
の帆のみが真白く
際立
(
きわだ
)
った。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
夕汐
(
ゆうしお
)
の高い、
靄
(
もや
)
のしめっぽい
宵
(
よい
)
など、どっち河岸を通っても、どの家の二階の灯も
艶
(
なまめ
)
かしく、川水に照りそい流れていた。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
鰐
(
わに
)
の居る
夕汐
(
ゆうしお
)
みちぬ
椰子
(
やし
)
の浜
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
それは
大川口
(
おおかわぐち
)
から
真面
(
まとも
)
に
日本橋区
(
にほんばしく
)
の岸へと吹き付けて来る風を
避
(
よ
)
けようがためで、されば水死人の
屍
(
しかばね
)
が風と
夕汐
(
ゆうしお
)
とに流れ寄るのはきまって中洲の方の岸である。
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
私は
本所深川辺
(
ほんじょふかがわへん
)
の堀割を散歩する折
夕汐
(
ゆうしお
)
の水が低い岸から往来まで溢れかかって
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
夕
常用漢字
小1
部首:⼣
3画
汐
漢検準1級
部首:⽔
6画
“夕汐”で始まる語句
夕汐騒