夕景ゆうけい)” の例文
丸窓の外に、暮れていくものしずかな、そして大きな夕景ゆうけいの中に、じっと、いつまでもいつまでも、とけこんでいれば、よかったのであった。
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
山男、西根山にしねやまにて紫紺のり、夕景ゆうけいいたりて、ひそかに御城下ごじょうか盛岡もりおか)へ立ちそうろううえ材木町ざいもくちょう生薬商人きぐすりしょうにん近江屋源八おうみやげんぱち一俵いっぴょう二十五もんにて売りそうろう
紫紺染について (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
とりあえず、書斎に立てこもって懐中から例の手帳を出したが、何分夕景ゆうけいではっきりせん。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夕景ゆうけいには戻られるであろう。戻った節にはお言伝ことづけいたしておく」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はい、それでは夕景ゆうけいまで」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)