売卜うらない)” の例文
旧字:賣卜
内へ帰ると、お蔦はお蔦で、その晩出直して、今度は自分が売卜うらないの前へ立つと、この縁はきっと結ばる、と易が出たので、大きにふさぐ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
集めてな、それに以前少しばかり易学えきがくを学んだからな売卜うらないをやる、それにた少しは薬屋のような事も心得てるから医者の真似もするて
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「たわけたことを申すな、二本棒とは何じゃ、先生にはまだ奥様も細君もないのだ。若先生、こんなイカサマ売卜うらないを聞いているは暇つぶし、さあ頂上に一走り致しましょう」
源氏の将軍が預言者であったか、売卜うらない者であったか、わたしは知らない。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
番「婆アが取ったんじゃア有りませんが、貴方の店子たなこで、それ浪人で売卜うらないに出る人が有りましょう」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
また是から段々ふやそうという売卜うらない手習てなれえの師匠に医者の三点張と云う此のくらい結構な事は有りませんが、彼処あすこへおりなすっては何うで、弟御おとゝごぐるみ引取ると云うので
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
の方は元お使番つかいばんを勤めた櫻井監物の家来で、柳田典藏と仰しゃる大した者、今は桑名川村へ来て手習てなれえの師匠で医者をしてそれで売卜うらないをする三点張さんてんばりで、立派なうちに這入って居て
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)