塩鮭しほざけ)” の例文
旧字:鹽鮭
「それでは、文句はいままでのとほりにしませう。そこで今日のお礼ですが、あなたは黄金きんのどんぐり一升と、塩鮭しほざけのあたまと、どつちをおすきですか。」
どんぐりと山猫 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
豊島氏はさけが大好きである。この頃は毎日晩酌のぜんに、生鮭なまざけ塩鮭しほざけ粕漬かすづけの鮭なぞが、代る代るつてゐるかも知れない。僕はこの本をひろげる時には、そんな事もまた思ふ事がある。
本の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
入口にはいつもの魚屋があつて、塩鮭しほざけのきたない俵だの、くしやくしやになつたいわしのつらだのが台にのり、軒には赤ぐろいゆで章魚だこが、五つつるしてありました。
山男の四月 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)