“塗塀”の読み方と例文
読み方割合
ぬりべい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手摺てすりの所へ出て、鼻の先にある高い塗塀ぬりべい欝陶うっとうしそうにながめていた母は、「いいへやだが少し陰気だね。二郎お前のお室もこんなかい」と聞いた。自分は母のいるそばへ行って、下を見た。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
店の前を、網代垣あじろがきでかこんだ家もあるし、朽葉色くちばいろや浅黄のぬのを垂れて部屋をかくしている構えもある。また塗塀ぬりべいふうに、目かくし窓を作って、そこから、呼んでいる女もあるのだった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)