埋草うめくさ)” の例文
其許そこもとらが生きているうちに成功しなんだら、可惜あったらほり埋草うめくさじゃ。仮に間に合っても、ずるいのは、お先棒には飛び出さんものだ。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
話の種にも成らぬ様なつまらぬ埋草うめくさは掲載せぬので、時によると「前号発兌以来、一つも注目するに足る事件無し」とのみ記して、他は皆余白のままに存している新聞が
暗黒星 (新字新仮名) / シモン・ニューコム(著)
呉れろなら上げまいものでもないから、それだけの入費にゅうひをお出しなさいな、私も十九まで育てた埋草うめくさをしなけりゃなりませんよ、金が出来ねえなら直ぐお返しなすって下さい
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
一人の例外なく蛇蝎視だかつしして、先生と呼ばれるほどのうそき、などの川柳せんりゅうをときどき雑誌の埋草うめくさに使っていましたが、あれほどお慕いしていた藤村先生の『ト』の字も口に出しませぬ。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)