垢摺あかす)” の例文
由蔵は垢摺あかすりを持ったまま呆然ぼうぜん案山子かかしのように突っ立っている。二人の職人風のつれは、それと見るより呼応こおうして湯槽の傍へ駆けつけて来た。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
『男だと。あきれた馬鹿野郎め。男のくせに、紅白粉をつけ女小袖で、大道をあるくとは、妖怪にもまさる奴だ。その垢摺あかすりみたいな額の紫のきれはなんだ』
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)