“土圭”の読み方と例文
読み方割合
とけい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こよいも、土圭とけいの間の土圭はすでに、うし(午前二時)を報じている。——が今、湯殿から出て来た秀吉は、さあこれからといわぬばかりだ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
無礼講の酒宴にぐたぐたに酔ってしまった若武士たちは、九つのお土圭とけいが鳴るのを合図に総立ちになって退出しようとすると、急にお傍用人が奥殿から駆けつけて来た。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
……九時の土圭とけいが鳴った。そして間もなく、御同朋頭が町奉行石谷因幡守いなばのかみの参入を報じた……直弼はうなずいて、引寄せてあった火桶を押しやった。因幡守穆清は蒼白い痙攣ひきつったような表情をしていた。
城中の霜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)