囲碁いご)” の例文
旧字:圍碁
車におくれじと千三も走った、かれが医者の玄関に着いたとき、おくではやはり囲碁いごの音が聞こえていた。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
閑になると、上役や同僚のやっている囲碁いごを、後に立って懐ろ手で頭越しにのぞいて居たりする。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玉突は知らぬし、囲碁いご将棊しょうぎも何も知らぬ。芝居は此頃何かの行掛り上から少し見た事は見たが、自然と頭の下るような心持で見られる芝居は一つも無かった。面白いとは勿論もちろん思わぬ。
私は元来囲碁いごを知らぬ、少しも分らないけれども、塾中の書生仲間に囲碁が始まると、ジャ/″\巧者こうしゃなことをいって、ヤア黒のその手は間違いだ、れ又やられたではないか
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そのおのおのが持っている任務と力量とを彼は指揮官のように知っていた。彼はそれを用いてある勝敗を争おうとするのだ。彼の得意とする将棋しょうぎ囲碁いご以上にこれは興味のあるものだった。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
しかし囲碁いごに閑日を消していることも、兵に豆をかせていることも、勿論、彼が魏をあざむく偽態であったことはいうまでもなく、魏は、それをうかがって、陸遜軍がなお年を越えるまで
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——囲碁いごか」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)