善後策ぜんごさく)” の例文
人生はつねに寸善尺魔すんぜんしゃくまである。富士男とゴルドンが、ドノバン一に対する善後策ぜんごさくを考えだすひまもなく、不幸な分裂ぶんれつが思いがけなく、その晩におこった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
と、怪我人のほうへは見きりをつけて、あしたは早速、虎五郎の枕元で、長屋の誰彼三、四人がヒソヒソと善後策ぜんごさくの相談。まず何よりの問題は、お葬式の費用であった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「これでいい。とうぶんこうして、籠城ろうじょうしたままで善後策ぜんごさくを考えるんだ」
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
御岳みたけの人々は、それが武田家たけだけ御曹子おんぞうしとは、まったく知らずにご神縄をくだしたのであったらしい。神官たちはにわかに凝議ぎょうぎして、その善後策ぜんごさく沈鬱ちんうつな空気をつくった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)