哭臨こくりん)” の例文
然らば諸王もまた発駕奔喪はつがほんそうの際に於て、半途にして擁遏ようかつせらるゝの不快事に会う無く、各〻おのおのその封に於て哭臨こくりんして、他を責むるが如きこと無かるべきのみ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
孝陵の山川さんせんは、其のふるきに因りて改むるなかれ、天下の臣民は、哭臨こくりんする三日にして、皆服をき、嫁娶かしゅを妨ぐるなかれ。諸王は国中になげきて、京師に至るなかれ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
葬祭の儀は、漢の文帝のごとくせよ、と云える、天下の臣民は哭臨こくりん三日にして服をき、嫁娶かしゅを妨ぐるなかれ、と云える、何ぞ倹素けんそにして仁恕じんじょなる。文帝の如くせよとは、金玉きんぎょくを用いる勿れとなり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)