和鞍わぐら)” の例文
大きな鼈甲べっこうぶちの眼鏡めがねを鼻の上にのせて、紫にあおいを白くぬいた和鞍わぐらや、朱房しゅぶさ馬連ばれん染革そめかわ手甲てっこうなどをいじっていた。
何も下野の国ではこの町ばかりではなく、日光近くの今市などでも見られますが、それは美しい和鞍わぐらを作ります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
女の自転車と馬乗りとはその頃の流行なりしにや吉原品川楼よしわらしながわろうかかえ和鞍わぐらに乗りての遊山ゆさんまた新橋芸者しんばしげいしゃが自転車つらねて花見に出かけし噂なぞかしましき事ありけり。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
前後が山型をした珍らしいくらで、多くはこれを朱塗にし、上に金具の飾りを沢山あしらいます。北の端の弘前ひろさき和鞍わぐらと南北好一対をなすものといえましょう。形が珍らしく他に類を見ません。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
常陸では和鞍わぐら刺繍ししゅうを美しく施す習慣があります。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)