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周匝
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あたり
ふりがな文庫
“
周匝
(
あたり
)” の例文
蛇目の傘をさした若い女の紫の袴が、その
周匝
(
あたり
)
の風物としつくり調和してゐた。傘をさす程の雨でもなかつた。
札幌
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
男も女もしめやかな戀を抱いて歩いてる樣に見える、蛇目の傘をさした若い女の紫の袴が、その
周匝
(
あたり
)
の風物としつくり調和してゐた。傘をさす程の雨でもなかつた。
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
もう日が何時しか沈んだと見えて、
周匝
(
あたり
)
がぼうつとして来た。渓川の水にも色が無かつた。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
這麽
(
こんな
)
理由とも気が付かず、唯モウ暗い
陰影
(
かげ
)
に襲はれると
自暴
(
やけ
)
に誇大な
語
(
ことば
)
を使つて書く、筆が一寸
躓
(
つまづ
)
くと、くすんだ顔を上げて
周匝
(
あたり
)
を見る。周匝は何時でも平和だ、何事も無い。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ト、八戸君も小松君も、卓子から離れて
各々
(
めいめい
)
自分の椅子を引ずつて
暖炉
(
ストウブ
)
の
周匝
(
あたり
)
に集る。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
周匝
(
あたり
)
には心地よい秋草の香が流れて居る。此香は又、自分を十幾年の昔に返した。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
周匝
(
あたり
)
には心地よい秋草の香が流れて居る。此香は又自分を十幾年の昔に返した。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
遠くで鷄の聲の聞えた許り、神寂びた宮居は
寂然
(
ひつそり
)
として居る。
周匝
(
あたり
)
にひゞく駒下駄の音を
石甃
(
いしだゝみ
)
に刻み乍ら、拜殿の前近く進んで、自分は圖らずも懷かしい舊知己の立つて居るのに氣付いた。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
遠くで鶏の声の聞えた許り、神寂びた宮居は
寂然
(
ひつそり
)
として居る。
周匝
(
あたり
)
にひびく駒下駄の音を石甃に刻み乍ら、拝殿の前近く進んで、自分は図らずも懐かしい旧知己の立つて居るのに気付いた。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
點けた許りの明るい
吊洋燈
(
つるしランプ
)
の
周匝
(
あたり
)
には、莨の煙が薄く渦を卷いて居た。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
点けた許りの明るい
吊洋燈
(
つりランプ
)
の
周匝
(
あたり
)
には、莨の煙が薄く渦を巻いて居た。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして、
周匝
(
あたり
)
の木々の葉裏にはもう夕暮の
陰影
(
かげ
)
が宿つて見えた。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
周匝
(
あたり
)
はもう薄暗かつた。
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
“周匝”の意味
《名詞》
まわりを取り巻くこと。
すみずみまで十分に行き渡ること。また、そのようなさま。周到。
(出典:Wiktionary)
周
常用漢字
小4
部首:⼝
8画
匝
漢検準1級
部首:⼕
5画
“周”で始まる語句
周囲
周章
周
周圍
周防
周旋
周章狼狽
周瑜
周到
周泰