合致がっち)” の例文
司馬仲達の急ぎに急いでいた理由は、果たせるかな、孔明がおそれつつも予察していたところと、まったく合致がっちしていたのである。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
泡鳴初め浪漫主義を信じ、転じて表象主義に入り、再転して霊肉合致がっちより本能の重大を力説して刹那主義なる新語を鋳造せり。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
たまたまうしたふたつのちから合致がっちしたればこそ、あのような災難さいなんきゅうっていたのじゃ。当時とうじ橘姫たちばなひめにはもとよりそうしたくわしい事情じじょうわかろうはずもない。
毛詩に、「死則同セム穴」とあるのは人間共通の合致がっちであるだろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
こういう簡単な生命の合致がっちは、もとよりその場ですぐできるものではない。さむらい奉公のしきたりがある。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
偶然、自分たち三人は、その精神において、合致がっちを見、きょうを出発として大事をなそうとするものであるが、三つの者が寄り合っただけでは、体をなしていない。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)