“口鬚”の読み方と例文
読み方割合
くちひげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
太郎は卓の東南の隅にいて、そのしもぶくれのもち肌の頬を酔いでうす赤く染め、たらりと下った口鬚くちひげをひねりひねり酒を呑んでいた。
ロマネスク (新字新仮名) / 太宰治(著)
この時、群集ぐんじゅ押分おしわけて、捫着もんちゃくの中へ割って入ったのは、駐在所の塚田つかだ巡査。年のわかい、色の黒い、口鬚くちひげの薄い、小作りの男であった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
軒先に自転車ごと入りながら、ブラシのような口鬚くちひげと、ブツブツのある肥った顔の四十男は、意地の悪いニヤニヤ笑いをした。
冬枯れ (新字新仮名) / 徳永直(著)