口性くちさが)” の例文
お梶は、宗清とは屋続きの万太夫座に忍び入って、其処を最期の死場所と定めたのである。その死因についても、京童は色々に、口性くちさがない噂を立てた。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
『なあに、フョードル・パーヴロヴィッチさん、つらいにはつらいでしょうけれど、位を授かったことを思えば、満足でしょうに』と口性くちさがない連中が言ったりした。
はやくもけちをつけにかからんず模様、さらぬだに口性くちさがない江戸の雀、近江屋はやっきになり出したが、それにもましてお艶は腕、いや、口にりをかけてあらぬ鬱憤を洩らし始めるという
口性くちさがない京童きょうわらべの埒もない沙汰じゃ。そのような沙汰が伝わっては、藤十郎の身近にいる人様のお内儀に、どのような迷惑をかけようとも計られぬわ。かまえて、打ち消して下さりませ。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
口性くちさがなき京童きょうわらべ
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)