取止とりやめ)” の例文
それから東町奉行所との間に往反わうへんして、けふ十九日にあるはずであつた堀の初入式しよにふしきの巡見が取止とりやめになつた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
要は道者船どうじゃぶね取止とりやめの沙汰をはるかにきいて、弦之丞の多難を知り、松平左京之介さきょうのすけと計って、別な方策の打合せに急いで来たので、連れている姉弟ふたりの子供は、すなわちお三輪みわ乙吉おときちであった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さうだらう。巡見じゆんけん取止とりやめになつたには、仔細しさいがなうてはならぬ。江戸へ立つた平山の所為しよゐだ。」
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)