取悪とりにく)” の例文
かねて申合せ候一儀大半成就致し候え共、絹と木綿の綾は取悪とりにくき物ゆえ今晩の内に引裂き、其の代りに此の文を取落しおき候えば
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「おやまた怒ったか、笑ってくれ、拝む。拝む、おっと笑った、さてさて御機嫌が取悪とりにくいぞ。またもや御意の変らぬうちだ。」と抱竦だきすくめて元結もとゆいふッつり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
祖「黙れ、何だ斯様かようのものを以て何の云訳いいわけになる、これは何たることだ、綾が取悪とりにくいとか絹を破るとか、あるいは綿を何うとかするとちっとも分らん」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ちょっとわっし懐中合ふところあいと、鋳掛屋風情のこの容体では、宿が取悪とりにくかったんでございますよ。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)