双龍そうりゅう)” の例文
旧字:雙龍
馬上から十四、五人の武士に、はげしく下知げちをしたふたりの武士、これなん、伊那丸いなまる幕下ばっかでも、荒武者あらむしゃ双龍そうりゅうといわれている加賀見忍剣かがみにんけん巽小文治たつみこぶんじのふたり。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だがそれとて一口に云えば、上海シャンハイ風ということが出来る。壁の一方に扉がある。双龍そうりゅうたまを争うところの図案を描いた扉である。一方の壁に窓がある。龕燈形の窓である。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
白光はっこうを噴いた双龍そうりゅうにも似る二人のあいだに、鏘々しょうしょうとして、火花が散った。しかし彼の長剣も、林冲の長巻も、幾十ごうとなくその秘術を尽しあったが、どっちも、相手の一髪すら斬ってはいない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)