双掌もろて)” の例文
大賽銭箱だいさいせんばこの前に立つと、赤い紙入を出して、小銭をつまんでポイと投げ、鈴のに心持触れて、双掌もろてを合せたまま、ひた拝みに拝み入るのでした。
夕告ゆうつげの、とり乱したる前き合せ。西に向ふて双掌もろてを組み、まなこを閉ぢてそのままに、息絶えけるぞ殊勝なる。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
縫ひたての座布団たまひぬ幼児の夜具地と云ふに双掌もろて這はする
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
大賽錢箱だいさいせんばこの前に立つと、赤い紙入を出して、小錢をつまんでポイと投げ、鈴のに心持觸れて、双掌もろてを合せたまゝ、ひた拜みに拜み入るのでした。
をさなめき双掌もろてを獄の灯にかざしさびしきときを遊びてゐたり
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
平次は有合せの浴衣を顔へ掛けてやって、神妙に双掌もろてを合せるのでした。
かへりみるゆとりいとしみ憶ひつつ双掌もろての冬陽あたたかく受く
遺愛集:02 遺愛集 (新字新仮名) / 島秋人(著)
平次は有合せの浴衣を顏へ掛けてやつて、神妙に双掌もろてを合せるのでした。
男の細面を双掌もろてに挟んで、帰しも無い執拗な頬摺をくり返すのでした。
百唇の譜 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
八五郎は膝小僧に双掌もろてを挾んでにじり寄ります。
八五郎はひざ小僧に双掌もろてを挟んでにじり寄ります。