厩番うまやばん)” の例文
仲間ちゅうげん、小間使、奥女中、下働き、厩番うまやばんなど、多ぜいの召使にかこまれていましたが、奥方は二、三年まえに亡くなって
亡霊怪猫屋敷 (新字新仮名) / 橘外男(著)
鉄の馬の厩番うまやばんはこの冬の朝もはやく、山のあいだの星の光りによって起きでて、彼の馬にまぐさをやり馬装をととのえた。
ここでいつも彼を取りまき、賞讃しょうさんするのは、大ぜいの馬丁や、厩番うまやばんや、靴磨きや、名もない居候いそうろう連中である。
駅馬車 (新字新仮名) / ワシントン・アーヴィング(著)
「これを今晩のうち厩番うまやばんに手渡してくれれば、お前さんは飛切上等じょうらの晴着が手に入るんだがね」
女童めわらべのふたりは、厩番うまやばんの小屋へ教えに行ったが、そこにいつもいる鬼藤次までがいなかった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
相生家に久しく仕えた厩番うまやばんで、綾吉と言う若者の変装姿に紛れもなかったのです。
六波羅の厩番うまやばんが夜も更けたころ、不図目をさますと厩が馬鹿に騒々しい。起き出てみると、奪われたはずの南鐐が、ほかの馬たちと噛みあっている。驚いた番人が飛びこんで宗盛に報告する。
厩番うまやばんの少年も主人と同じく満足させられるべき平等の理由をもっているかもしれない。