危坐かしこま)” の例文
またこういう事も有る※前のように慾張ッた談話はなしで両人は夢中になッている※お勢は退屈やら、手持無沙汰ぶさたやら、いびつに坐りてみたり、危坐かしこまッてみたり。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お吉とも/″\噴飯ふきだして笑ひ、清吉昨夜は如何したか、となぶれば急に危坐かしこまつて無茶苦茶に頭を下げ、つい御馳走になり過ぎて何時か知らず寝て仕舞ひました、姉御
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
彼方は固より闇の中に人あることを知らざれば、何に心を置くべくも無く、御仏の前に進み出でつ、いとつゝしましげに危坐かしこまりて、数度あまたゝび合掌礼拝がつしやうらいはいなし、一心の誠を致すと見ゆ。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)