単羽織ひとえばおり)” の例文
旧字:單羽織
喬之助は、抜身ぬきみの一刀を糸で腰に釣って、それに、羽二重はぶたえ単羽織ひとえばおりをフワリと掛け、刀身をすっかり隠して、さやに納まっている如く見せかけていたのだ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
丁度同じ頃、その頃流行はやった黒無地のセルに三紋みつもん平縫ひらぬいにした単羽織ひとえばおりく着ていたので、「大分渋いものをこしらえたネ、」とめると、「この位なものは知ってるサ、」と頗る得々としていた。
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)