匙加減さじかげん)” の例文
資本もとでに初めし醫者家業いしやかげふ傷寒論しやうかんろんよめねどもなりとて衣服いふくおどかし馬鹿にて付る藥までした三寸の匙加減さじかげんでやつて退のいたる御醫者樣もう成ては長棒ながぼうかごよりいのち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
薬箪笥くすりだんす小抽斗こひきだしを抜いては、机の上に紙を並べて、調合をするですが、先ずその匙加減さじかげん如何いかにもあやしい。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「だから、医者というやつも、貴賤貧富によって、匙加減さじかげんがあってはならねえのだ……」
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
感傷転換をやるほどの匙加減さじかげんはあってしかるべきものを、もう取返しがつかない。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)