化性けしょう)” の例文
その深さが何万尺あるか測られない、この中に何か潜力的ポーテンシアルな、巨大な物が潜んでいる、そうして生物を圧迫する——化性けしょう蝙蝠かわほりでも舞い出そうだ。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
その団体が才蔵を目掛け紛々翩々ふんぷんへんぺんと飛びかかるのであったが、その数ほとんど限りない上に、いずれも化性けしょうのものだけに打たれても叩かれても死のうとはしない。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お初どのとやら、そなたは、一時、あの河原者の容色に、迷われたとかいうことだが、女子おなごの身で、あやつのような化性けしょうのものに近づけば、いずれ、魂をとろかされ、生き血を
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「如何なる悪魔化性けしょうの者といえども、私のいのりに退散しないという事は無い」
鮮やかな白さを失って、灰に化性けしょうしたようになって、谷の隈に捨てられている、昨日通った槍ヶ岳の山稜から、穂高岳へとかけて大きく彎曲した、雁木がんぎのようなギザギザの切れ込みまでが
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
「ところが、それが、あの化性けしょうもの奴の不敵なところだ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)