匆々そう/\)” の例文
宿やどじつとしてゐるのは、なほ退屈たいくつであつた。宗助そうすけ匆々そう/\また宿やど浴衣ゆかたてゝ、しぼりの三尺さんじやくとも欄干らんかんけて、興津おきつつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
此処の顔ものぞきたく、身は一つ心は千々に走せまはつて、匆々そう/\忙々ばう/\と茫然自失する折から人ををどり立たす様な奏楽そうがくの音起つて、舞踏室の戸は左右に開かれぬ。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
との書置に皆打驚き、匆々そう/\差配人差添えの上で訴えに相成ります。漸く事済ことずみになって、此のおふみの子供をもて相続人に相定めまする。又お美代は後、後家を立て通して居りましたという。
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)