くん)” の例文
旧字:
下座語げざがたりの懐へ、どろんと消え、ひょいと出る、早替はやがわりの達人と、浮世床にて風説うわさの高き、正三位しょうさんみくん何等、大木戸伯爵と申すはこれなり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ト向うがくん三等ぐらいな立派な冠木門かぶきもん。左がその黒塀で、右がその生垣。ずッと続いて護国寺の通りへ、折廻した大構おおがまえ地続じつづきで。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
年紀としは二十七。じゅ五位くん三等、さきの軍医監、同姓英臣ひでおみの長男、七人の同胞きょうだいうちに英吉ばかりが男子で、姉が一人、妹が五人、その中縁附いたのが三人で。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)