加餐かさん)” の例文
私は、それを固く信じて疑わないとともに、それだけにまた我が文楽の自愛、自重、加餐かさんを、切に切に衷心から祈って止まないものである。
随筆 寄席風俗 (新字新仮名) / 正岡容(著)
待っていてくれちゃ困るけれど、理窟は先ず斯うしたものさ。一に辛抱、二に長生ながいき。自分が死んでしまったんじゃお話にならない。すべからく大いに加餐かさんして、出世の資格を拵えるんだね
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
五月雨さみだれにこゝろ乱るゝふる里をよそに涼しきつきや見るらむ、など口にまかせ候。政之。御令妹このほど御歌は上達、感入かんじいり候也。書余譲後信こうしんにゆずる。努力加餐かさん。不宣。七月十一日。応渠再拝。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
あめ又病むときく加餐かさんせよ
六百句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
君に勧む加餐かさんせよ
翩翩 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
現に九月には私の志ん生、文楽両君と主宰している寄席文化向上会で鯉丈りじょうの『和合人』発表の企画がある。くれぐれも加餐かさんを祈ってやまない。
随筆 寄席囃子 (新字新仮名) / 正岡容(著)