前頭まえがしら)” の例文
定額寺じょうがくじといってね、お上からお許しがなくっちゃ、むやみと山門にこういう額は上げられねえんだ。相撲すもうの番付にしたら、りっぱな幕の内もまず前頭まえがしら五枚めあたりよ。
草相撲くさずもう前頭まえがしらのような恰幅かっぷくのいいからだをゆすりながら近づいて来て、この場のようすを眺めて
メンコには、それぞれお角力すもうさんの絵が画かれていて、東の横綱から前頭まえがしらまで、また西の横綱から前頭まで、東西五枚ずつ、合計十枚、ある筈なんだが、一枚たりない。東の横綱がないんだ。
春の盗賊 (新字新仮名) / 太宰治(著)
万歳まんざい太夫たゆうで江戸へ来たというのは、世間の悪口にしても、ともかくも、ここへ根をおろしてざっと三十年、今では万両分限の一人として、江戸の長者番付の前頭まえがしら何番目かに据えられる嘉兵衛ですが