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出喰
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でく
ふりがな文庫
“
出喰
(
でく
)” の例文
正三がじろじろ観察していると、順一の視線とピッタリ
出喰
(
でく
)
わした。それは何かに
挑
(
いど
)
みかかるような、不思議な光を放っていた。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
それぎりまるで
逢
(
あ
)
わなかったのが、偶然
倫敦
(
ロンドン
)
の真中でまたぴたりと
出喰
(
でく
)
わした。ちょうど七年ほど前である。その時中村は昔の通りの顔をしていた。そうして金をたくさん持っていた。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして大通りのガレイジの
処
(
ところ
)
で、車をおりて仲通りへ入って来ると、以前の
朋輩
(
ほうばい
)
であり、今は松の家の分け看板として、めきめき売り出して来た松栄とひょっこり
出喰
(
でく
)
わし、松島の死を知った。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
おまえも知っているとおり、彼らはそこで美しい結婚をするのだ。しばらく歩いていると、俺は変なものに
出喰
(
でく
)
わした。それは溪の水が乾いた
磧
(
かわら
)
へ、小さい水溜を残している、その水のなかだった。
桜の樹の下には
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
手押車で運ばれて来る、老人の重傷者、顔と手を火傷している中学生、——彼は東練兵場で遭難したのだそうだ。——など、何時も
出喰
(
でく
)
わす顔があった。
廃墟から
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
▼ もっと見る
怕
(
おそろ
)
しい怕しいことに
出喰
(
でく
)
わした後の、ゆるんだ視覚がわたしらしかった。わたしはまわりの人混みのゆるい流れにもたれかかるようにして歩いた。後姿はまだチラついたが……。
鎮魂歌
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
鉈
(
なた
)
を振るって彼の手首を断ち切ろうとするのが、先刻の老人のようにおもえたりする。ふらふら歩いて行くうち、ふと彼は知人のKが弁護士らしい男と連れだっているのに
出喰
(
でく
)
わした。
火の唇
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
喰
漢検準1級
部首:⼝
12画
“出”で始まる語句
出
出来
出入
出鱈目
出來
出会
出立
出逢
出掛
出雲