出來心できごゝろ)” の例文
新字:出来心
思ひの外なる御驚おんおどろききに定めてうわそらともおぼされんが、此願ひこそは時頼が此座の出來心できごゝろにてはつゆさふらはず、斯かる曉にはとかねてより思決おもひさだめし事に候。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
戀人のやうに顏をあかめる秋の櫻の木、そのあかいのはおまへの枝にぶら下る心臟の血であらう、この間、通りすがりの人たちにのおいしいのはべられて、今は唯なさけに脆いかぜ出來心できごゝろ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)