冷酒れいしゅ)” の例文
うも恐入りましたな、へい是はお吸物誠に有難うございます、先刻さっきから冷酒れいしゅは持参致しておりまするが、お燗酒かんしゅは又格別、有難うございます
とまたおばあさんは言いながら、三つ組の土器かわらけを白木の三宝のまま丁寧に客の前に置いて、それから冷酒れいしゅを勧めた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
抽斎は決して冷酒れいしゅを飲まなかった。しかるに安政二年に地震にって、ふと冷酒を飲んだ。そのたまたま飲むことがあったが、これも三杯の量を過さなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)