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冠桜
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かんむりざくら
すこし力を入れたかと、思うと、ふわりと
宙へおよがせて
冠桜の
根瘤のあたりへ、エエッ、ずでーんと
気味よくたたきつけた。
なにかたまろう、ウームというと
蝦反りになって、階段の中途からデンとおちる。それも、
冠桜の根ッこのやつも、
神罰覿面、血へどを
吐いてたおれたままとなってしまった。
一
陣の
山嵐が、
鞍馬山の肩あたりから、サーッと
冷気をふり落としてきたかと思うと、八
神殿の
冠桜の下あたりに——
竹童のお
師匠さま
果心居士のすがたが、めずらしくもほのかに見えたのである。