公知きんとも)” の例文
いらい大塔ノ宮をみる目に、一ばい女の異常をぎすます。——すると事ごとに、周囲の言も、いとこの公知きんともが知らせてきたことも
中山忠光卿や、姉小路公知きんとも卿や、岩倉具視ともみ卿あたりもその仲間でありましょう。ここに現われた高村卿なるものも、多分その一人であろうと思われる。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
多くの公卿たちの中でも聡敏そうびんの資性をもって知られた伝奏姉小路あねがこうじ少将(公知きんとも)が攘夷のにわかに行なわれがたいのを思って密奏したとの疑いから、攘夷派の人たちから変節者として目ざされ
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
公知きんともは言いきッた。ほんとの心情にはちがいあるまい。廉子やすこにもそう思われた。
廉子のいとこに、阿野ノ式部大輔だゆう公知きんともという色の小じろい男がいる。