公卿くぎやう)” の例文
都ではかねてより阪東が騒がしかつた上に愈〻いよ/\謀反といふことであるから、容易ならぬ事と公卿くぎやう諸司の詮議に上つたことであらう。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
昔、日野資朝ひのすけともといふ公卿くぎやうさんがあつた。わるい賊共がいきほひをふるつて、天皇さまは、山の中へ住まひしていらせられた頃であつた。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
持統天皇はその御願を継いで即位二年無遮むしゃ大会だいえを設け給い、同十一年「癸亥みづのとゐ公卿くぎやう百寮、仏眼ほとけのまなこあらはしまつる。をがみを薬師寺に設く」(書紀)。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
公卿くぎやうは政治の実際に疎く、しかも鎌倉幕府の滅亡と共に、幕府が処理してゐた政務をも朝廷で併せ行はねばならぬことゝなり、政務が渋滞してしまつたこと。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
これらは、すべて鎌倉と縁故深き、いはゆる御家人を以てしたから、幕府の強固なる統制は全国的に及んだ。また朝廷に議奏の公卿くぎやうを置き、朝臣を任免せんことを奏請した。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)