八起やお)” の例文
(玉虫にむかいて。)人は七転ななころ八起やおきとやら申しまして、悪いあとには又よいことが来るものでござります。まあ、お聞きなされませ。
平家蟹 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ところが人間万事塞翁さいおうの馬、七転ななころ八起やおき、弱り目にたたり目で、ついこの秘密が露見に及んでついに御上おかみ御法度ごはっとを破ったと云うところで
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「これははったりなンだ。ふところはぴいぴいなンだぜ。七転ななころ八起やおきもこの頃はあわただしくてね……」
晩菊 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
姉も堅いから承知しますめえ、と云って親の許さぬ事は出来ませんが、あなたそれ程まで思ってくださるならば、人は七転ななころ八起やおきのたとえで、運が向いて来て元のようになれんでも
「これははつたりなンだ。ふところはぴいぴいなンだぜ。七転ななころ八起やおきも此頃はあわたゞしくてね……」
晩菊 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)