克々よく/\)” の例文
手にとり克々よく/\見て其方の名前は山内伊賀亮かとたづねられしに如何にも左樣なりと答ふ越前守推返おしかへして伊賀亮なりやと問ひ扨改めて伊賀亮といふ文字もじは其方心得て附たるや又心得ずして附たるやとたづねらるゝに山内その儀如何にも心得あつてつけし文字なりと答ふ越前守また心得有て附たりと有ば尋る仔細あり此亮このすけいふ文字は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わりたるが如きのみか御音聲迄おんじやうまでも其儘なりこれ御親子に相違なき證據ならずや今一應將軍へ御うかゞひ下されたし克々よく/\勘考かんかう遊ばされなば屹度御覺有べしと述れば越前守は大音に伊賀亮だまれ天一坊の面體よく將軍御幼年えうねんの御面部に似しのみならず音聲まで其の儘とはいつはり者め其方紀州家の浪人ならばいざ知ず九條家の浪人らうにんにて將軍の御音聲を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)