僮僕どうぼく)” の例文
公子二人は美服しているのに、温は独り汚れあかついたきぬを着ていて、兎角とかく公子等に頤使いしせられるので、妓等は初め僮僕どうぼくではないかと思った。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それから、僮僕どうぼくの一人に云ひつけて、酒を入れた素焼の瓶を一つ、劉の枕もとへ持つて来させた。
酒虫 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
五分苅では無い五分生えに生えた頭の十八か九の書生のやうな僮僕どうぼくのやうな若僧が出て来た。
観画談 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「田氏か。あれは有名な富豪だろう。召使っている僮僕どうぼくも数百人に及ぶと聞いているが」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして僮僕どうぼくくらわしめて、玄機の林亭にいることを知った。夫妻は反目した。ある日岳父が婿むこの家に来て李を面責し、李は遂に玄機をうことを誓った。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
五分苅ごぶがりではない五分えに生えた頭の十八か九の書生のような僮僕どうぼくのような若僧が出て来た。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
中には玄機の美しいことを聞いて、名を索書にりてうものもある。ある士人は酒を携えて来て玄機に飲ませようとすると、玄機は僮僕どうぼくを呼んで、その人を門外にい出させたそうである。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
下人僮僕どうぼくの手兵ようの者も有って、勢力を実現し得るのであった。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)