傍観者ぼうかんしゃ)” の例文
五色ごしきもていろどられた美しいつがいのおしどりはかれらに見入っている傍観者ぼうかんしゃなどすこしも気にかけず、つつましやかに、しかしむつまじげに遊んでいた。
おしどり (新字新仮名) / 新美南吉(著)
などと、弓道きゅうどうにこころえのある傍観者ぼうかんしゃは、はやくも、各藩かくはんのひかえじょ下馬評げばひょうまちまちである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
○ベースボールの特色 競漕きょうそう競馬競走のごときはその方法甚だ簡単にして勝敗は遅速ちそくの二に過ぎず。故に傍観者ぼうかんしゃには興すくなし。球戯はその方法複雑にして変化多きをもって傍観者にも面白く感ぜらる。
ベースボール (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「私は、皆さんの邪魔じゃまをしまい。私は、傍観者ぼうかんしゃだ」
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
傍観者ぼうかんしゃよりれば疑わしき点を
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)