假髮かづら)” の例文
新字:仮髪
頭に戴けるは「フイノツキイ」(俗曲中にて無遠慮なる公民を代表したる役なり)の假髮かづらにて、目に懸けたるは柚子みかんの皮をりぬきて作りし眼鏡なり。
まづ始には女目付をんなめつけのバルバラがつぶやくやう、あのピエロオの拔作め、氣のかないのも程がある、カサンドル樣の假髮かづらの箱をおとして、白粉おしろいみんないて了つたぞ。
胡弓 (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)
そこでカサンドルは大事さうに假髮かづらをお拾ひなさる、アルルカンは粗忽者の尻をいやといふほど蹴飛すと、コロムビイヌは笑ひこけて涙をく、ピエロオは厚化粧の苦笑にがわらひで耳までも口をいた。
胡弓 (旧字旧仮名) / ルイ・ベルトラン(著)