假借かしやく)” の例文
新字:仮借
義雄の態度は寸毫すんがう假借かしやくしないと云ふ勢ひだ。そして、忿怒ふんどの爲めに、相手を見つめる目が燃えて來た。昇は然し左ほど熱しない。
泡鳴五部作:05 憑き物 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
平次は假借かしやくしません。八五郎に手傳はせて押込むやうにそれ/″\の部署にかせると、家の中は暫く、死の寂寞せきばくが領しました。
それでも私は、彼の缺點を忘れはしなかつた。實際出來なかつたのだ。彼は屡々缺點を私に見せたので。彼は傲慢で、皮肉で、何に限らず卑俗なのを全然假借かしやくしなかつた。
かりそめにも火を放けたものは、自分の家であらうと、他人の家であらうと、假借かしやくもなく火刑ひあぶり、——然え上らなかつた場合でも死罪はまぬかれやうがなかつたのです。
許すやうなことは無く、どうかすると、假借かしやくの無い、意地の惡いことも平氣でやるんですもの
平次の調子は、平淡なうちにも一歩も假借かしやくせぬ嚴しさがありました。
平次の言葉は苛辣しんらつで、嚴重で、何んの假借かしやくもありません。
平次の問ひは直截で假借かしやくしません。
平次の問ひは假借かしやくしませんでした。
平次の推理は假借かしやくもありません。