候哉そうろうや)” の例文
拝啓、今年はだいぶすずきの魚鱗多くうかがわれ、ほかの魚族も、よき潮模様しおもようと相見え候ところ、近来さっぱり御途絶おんとだえ、いかがなされ候哉そうろうや秋日しゅうじつぼくし、御一ちょうおすすめ申上候
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
拝啓はいけい仕候つかまつりそうろうのぶれば過日瘠我慢之説やせがまんのせつと題したる草稿そうこう一冊をていし候。あるいは御一読も被成下なしくだされ候哉そうろうや
うや/\しく持佛堂にしょうじ入れて、深夜の御光臨は何御用にて候哉そうろうやと問うと、丞相の霊が答えて、自分は口惜しくも濁世じょくせに生れ合わせて無実の讒奏をこうむり、左遷流罪させんるざいの身となったについては
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)