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信憑
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しんぴょう
ふりがな文庫
“
信憑
(
しんぴょう
)” の例文
さればとて自己の意見を以てことごとく
信憑
(
しんぴょう
)
すべからざるものと断念するもまた弱志病意の徴候なり、ここに博士モヅレーの言を聞け
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
実は旗太郎さん、僕は旧派の捜査法を——つまり、人間の心細い感覚や記憶などに
信憑
(
しんぴょう
)
を置くのを、聖骨と呼んで軽蔑しているのですよ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
若き白隠=慧鶴がこの聖典に対して、全くの手掛りなく、仏教全般に対しての
信憑
(
しんぴょう
)
さえ失ったのは無理もないことである。
宝永噴火
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そういう諸君にはしばらく眼をつぶっていただいて、私はまず近着各紙を渉猟して、その中から比較的
信憑
(
しんぴょう
)
するに足ると思わるる部分だけを
蒐集
(
しゅうしゅう
)
し
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
しかし、
目利
(
めきき
)
に見させても、筆蹟は、まぎれなき定房卿のお筆だという。そこでなお、めんみつな審議に及ぶと、或いはという
信憑
(
しんぴょう
)
も持たれなくはない。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
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日本語について十分の観察をして当時の標準的音韻を
葡萄牙
(
ポルトガル
)
式のローマ字綴で写したものであるから、
信憑
(
しんぴょう
)
するに足り、且つ各音の性質も大概明らかであって
国語音韻の変遷
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
しかしこれは十分
信憑
(
しんぴょう
)
すべきものであることを断言します。この□□□□□□は、来月の暗号の鍵数字であること疑いないのですが、肝腎の数字が入っていません。
暗号数字
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
かくのごとき差別が偶然的局部的の異同に支配さるるとせば、広区域にわたるマクロスコピックの平均状態を知るのみにては
信憑
(
しんぴょう
)
すべき実用的の予報は不可能に近し。
自然現象の予報
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
日本語不自由組だの「ウマが合った」だのの観念を超越した何か大きいものに向っての
信憑
(
しんぴょう
)
と努力とがあったのだが、それが何であったか、私にはどうも、よくわからない。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
我々は二において孔子の伝記の
信憑
(
しんぴょう
)
すべき材料が『論語』のほかにないことを見いだした。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
かく類別せられた経験の
堆積
(
たいせき
)
を人々は知識と名づける。知識を整理する為めに私は
信憑
(
しんぴょう
)
すべき一定の法則を造る。かく知識の堆積の上に建て上げられた法則を人々は道徳と名づける。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
修辞学における
信憑
(
しんぴょう
)
の根拠としてアリストテレスは三つのものを区別した。一、話し手のエートス(性格)による証明。その人の心根、性格が立派である場合、我々は容易に彼の言葉を信じる。
解釈学と修辞学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
鍵の性能に対してほとんど
信憑
(
しんぴょう
)
をおいていない法水にとると、恐らくこの二重に鎖された鉄壁が、彼の心中に
蟠
(
わだかま
)
っている、ある一つの観念を顛覆したに違いないのだった。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
……充分に
信憑
(
しんぴょう
)
するに足るものであるということを、心から信じた次第であります。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
仮りに科学的に
信憑
(
しんぴょう
)
すべき根拠よりして、来る六十年ないし七十年間に某火山系に活動を予期し得るとせば、個人に対してはともかく、一県一道の為政者にとりては多大の参考となるべし。
自然現象の予報
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
孔子の伝記について
信憑
(
しんぴょう
)
すべき材料は『論語』のほかにはないのである。では『論語』は確実な史実を伝えていると考えてよいであろうか。我々は節を改めて『論語』を考察してみなくてはならぬ。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
それは「
増鏡
(
ますかがみ
)
」にも見える記事なのである。
信憑
(
しんぴょう
)
していいと思う。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“信憑”の意味
《名詞》
信用して頼りとすること。
(出典:Wiktionary)
信
常用漢字
小4
部首:⼈
9画
憑
漢検1級
部首:⼼
16画
“信憑”で始まる語句
信憑性